好き嫌いがあったらダメなのか?
先日、
友人が超美味しい鰻弁当を
買って来てくれました。
三重県松坂市にある
「うなぎのまつもと」さんの
鰻弁当。
本当に美味しいのです。
息子はよく食べて、身体も大きいほうですが、
意外に
「待ち切れないほど早く食べたいもの」ってあまりないように思います。
そこまで食に貪欲でもないのです。
この鰻弁当は
待ちきれずに食べていました。
偏食で悩まれているお母さんいらっしゃいませんか?
かつての私は結構悩んでいました。
舌が繊細なのか、単なるわがままか。
そのあたりの判断もわからないし、
そもそも
「好き嫌いはいけない」と思っていたので、
息子が小さいころは
「苦手なものも我慢して食べられるのが
いい子」と思っていましたし、
「誰かが作ってくれたものをなんでも食べられる子の方が周りから可愛がってもらえるし、息子にとっても得なことだ」
とも思っていました。
だからこそ、
「食べたくないものは食べない」
というスタンスの息子に対して、
「作ってくれた人の気持ちを考えなさい!」
「わがまま言わずに食べなさい!」
と怒ってたんですよね。
あと、
息子は
「食べず嫌い」も多く、
よくわたしは、
「一回食べてみて。
美味しいから。
食べずに決めてしまうのはもったいない」
とも言っておりました。
息子はそんな言葉では食べませんでした。
私は
好き嫌いがほとんどありません。
出して頂いた食事は
美味しい!美味しい!
と言って、
たらふく食べます。
そのおかげで周りの人から大切にしてもらったと感じたことも多かったし、
損したことはなかったと思っていました。
だから、
息子には何でも食べて欲しかったのです。
でも、いつの頃からか、
疑問が湧いてきました。
一つ目は
息子は意思が強く、
私も自分が正しいと思っている。
となると、
食卓が
楽しくないんですよね。
あと、息子の偏食はレパートリーの少ない私のせいだとも思っていましたし。
だから、
息子の好き嫌いに執着すればするほど、
私も不安になったり、怒ってしまったり。
何でも食べて、苦手なものも残さず食べ
ている息子の友達を羨ましく思ったり、
「すごいね」って、
そのお友達に声かけたり。
これ、私が息子の立場だったら
めっちゃ嫌ですもん。
そして二つ目は。
これは最近感じてることなのですが。
一般的には
「好き嫌いなく何でも食べる」ということは大切なことであり、素晴らしいこととされている。
でも、
好き嫌いがあるって、
本来、そちらの方が普通のことではないのか?
と思うようになったのです。
ここからはかなり私の偏った考えになります
。
断捨離やお片付けを本格的に勉強し出して気がついたことなのですが。
「〇〇さんにもらったものだから捨てられない」
「また、使うかもしれないから捨てられない」
「高かったから捨てられない」
そこには
「好き!!」
が見えないんです。
幼いころは好き嫌いがあっても、
歳を重ねていったり、
社会と折り合いつけていくときに、
知らず知らずのうちに、
好きと嫌いの差を小さくされていく
世の中のシステムというのでしょうか。
嫌な人とでもお付き合いしたり、
行きたくない集まりに参加したり。
自分はめちゃくちゃ辛いのに、
相手の人のために嬉しい顔したり、
平気なフリしたり。
私は
先ほど、何でも美味しい!美味しい!とたらふく食べると書きましたが、
そういえば、
「瀬尾愛子はよく食べる」
というイメージに応えたくて、
めちゃくちゃお腹いっぱいなのに食べたり、
弱いくせにお酒を飲んだり。
(阪急電車のホームで動けなくなって車椅子で運ばれたんです。44歳のときに)
相手の期待に応えたくて、
頑張ってしまってたなと思うことが結構あったんです。
そのおかげで大切にもしてもらってますが、
身を削っていることも事実です。
先日も、
息子に
「作ってくれている人の気持ちを考えないといけないよ」
と言いながら、
じゃあ息子の気持ちはどうなるんだ?
と、
ふと、疑問に思ったのです。
知らず知らずに私もこうして、
息子に
人の期待に応えることを要請しているじゃないか?
私は
息子には幸せでいてほしい。
でも、
幸せの形は息子が決めることなのです。
せめて私ができることは、
息子の
好きと嫌いを否定しないことだと思いました。
この子育ての結果はわかりません。
でも、
絶対に飲まないと言っていた牛乳が
今年、飲めるようになったそうです。
私は牛乳に関しては何も言ってなかったのですが、
学校での生活で折り合いをつけたのでしょう。
給食も
息子なりに色々と工夫して食べたり食べなかったりしてるみたいです。
そして。
鰻弁当のお話です。
鰻弁当は
今回買ってきてくれた友人に教えてもらいました。
半年ほど前、その友人家族と一緒にキャンプに行きました。
そのときに鰻弁当の存在を聞いていたので、
友人たちと一緒に
立ち寄って買うことになりました。
主人と私はその友人をとても信頼しており、
絶対に美味しいと思ったので、
息子にも鰻弁当を予約をしておこうと勧めたんです。
でも、息子は
「鰻なんか食べない。俺はコンビニのおにぎりが食べたい」
と言ったので、
鰻弁当は主人と私の二つだけ予約して
お店に向かいました。
息子はミニストップでおにぎりを買いました。
牛タンおにぎり二つ。
そして、
鰻弁当。
包み紙を開けると、
竹で出来たお弁当の中には
タレがしっかり絡んだご飯。
そして、
こんがり焼けた鰻が乗っている。
「俺も食べたい」
ですよねー。
ですよねー。
「一口食べさせて」
・・・
「お母さん、俺のおにぎりあげるわ」
と黙々と鰻弁当を食べ始め、
私には
たくあんと
ほんの一口のご飯と
鰻の皮を2センチくらい残してくれました。
皮ですよ、皮。
私も鰻弁当を食べたかったのですが、
息子が人生で初めて鰻を食べたことが嬉しくて、鰻弁当を貪って食べている息子の横顔が可愛い過ぎて(大好きなので)
ミニストップの牛タンおにぎりを快く食べることにしました。
おにぎりは微妙でしたが、
(牛タン好きじゃないので)
息子が鰻を食べたことの方が嬉しかったのです。
必死で食べさせようとしても食べないけれど、
自分から食べたいと思ったら食べるんだなと
改めて感じました。
きっとこれからも
周りが美味しそうに食べていて、
自分から
「食べてみよう!」って思う食べ物に出会うことでしょう。
そして、
息子なりに
友人の家では
作ってくれたお母さんに
「すみません、ぼく、これ苦手なんです」とふんわり言っていたり、
確か家では絶対食べていないものを
黙って食べていたり。
私はそのことを知っていて、
息子を誇らしく思っています。
私がとやかく言わなくても
ちゃんと息子のやり方で食べ物や人と向き合っているのです。
好き嫌い問題は私が勝手にあれやこれや悩んでいましたが、
親がどうにかすることでもないのかな、、、と今は思っております。
ちゃんと息子は社会と折り合いをつけながら
自分の立ち位置を守りつつ、
生きていける力を持っているのです。
たかが食べ物の好き嫌い。
でも、このことを通して教えてもらったことは多かったように思います。
「うなぎのまつもと」
松坂インターおりてすぐ。
是非、三重県に行かれるときは
食べてみてください!
0コメント