ポケモンGOと置き手紙
先日のことです。
その日はクリニックで仕事をしていました。
クリニックの仕事は
いつも帰宅が
18時半から19時になるので、
4年生になった息子には
2.3時間一人で留守番をしてもらっています。
息子は留守番中のインターホンには出ませんし、家の電話にも出ません。
私がそうするように話したところ、
きっちり守ってくれます。
一度、私が鍵を忘れて、
ドアを開けてもらいたくて
インターホンを鳴らした時も
出てくれませんでした。
もちろん、家の電話にも出てくれませんでした。
ゲームで遊んでいる音はするのです。
私は暗い中、
息子の名前を何度か叫び、
やっと気がついてもらえて
家の中に入れました。
我が子ながら、
優秀な息子です。
そんなこんなで、
私は
息子の留守番に関しては信頼をおいておりました。
そして事件は起きるのです。
その日のクリニックはとても忙しく、
お昼ご飯を食べないまま18時を迎えました。
急いで帰ろうと携帯を確認したところ、
息子から
17時58分に留守番電話が入っています。
「ポケモンを取りに千里川に行ってきます」
(ポケモンGOです)
え?
外、すでに真っ暗なんやけど、、、、
すぐに家に電話をしました。
もちろん出ません。
私は急いで帰りました。
「どうか家にいますように」
息子のことだから、
きっと無茶はしないだろう。
でも、
真っ暗な中、
まだまだ身体も小さな小学4年生。
車に跳ねられたりしないだろうか?
(ポケモンを取りながら歩くから注意散漫な可能性大)
悪い人にiPad(これでポケモンGOをしているので)を強引に奪われて、
怪我したりしてないだろうか??
18時半には家に到着しました。
いつも履いている草履がない。
(一年中、基本草履なんです)
息子はまだ帰って来ていない。
鍵はかかっているから、
鍵は持って出かけている。
私は携帯だけ持って、
そのまま自転車に飛び乗り
千里川に向かいました。
こんな時なのに、
私の自転車のライトが壊れており、
前が見えない。
携帯のライト機能をどうやったら使えるのかがわからない。
普段から携帯に興味を持って使い方を把握しておけば良かった、、、、
何より、自転車のライト、
ちゃんと直しておけば良かった、、、
そんな後悔が頭をグルグル。
川なんて真っ暗で近くに行かないと息子がどこにいるかわからない。
川のあたりを一周したのですが、
息子の姿は見えない。
20分ほど捜索して、
もしかしたら
息子が家に帰って来てるかもしれないと思い、
一旦家に戻りました。
まだ帰って来ていない、、、、
落ち着け、落ち着け。
まずは
懐中電灯を取りに行かなければ。
そして2階に上がりました。
すると、
置き手紙が2枚あります。
「ちゃーちゃん(私のこと)、
千里川にポケモン取りに行ってきます」
もう一枚が
「ちゃーちゃん、マクドナルドにポケモン取りに行ってきます」。
えっ?
どっち??
さっき行った千里川は真っ暗でちゃんと見えてなかったかもしれない。
一人で怖い思いしてないだろうか、、、
千里川をもう一度探しに行くか、、、
でも、
マクドナルドはまだ探してない。
どっちに行ったらいいんだろう。
最近、占いでも、手相でも
私には霊感的なものがあると出てきていました。
(自分で占いを勉強し、手相も自分で見ているのです)
こんなときこそ、勘は働かないのか!?
「マクドナルド方面に向かおう。」
「あと30分探していなかったら、
警察に連絡しよう。」
私は再び自転車に乗り、
懐中電灯を照らしながら、
息子を探しに出かけました。
無我夢中で自転車を飛ばしていた為、
走っている車にぶつかりそうになりました。
落ち着け、落ち着けと
自分に言い聞かせつつ、
ポケモンgoに夢中の息子は
車に気が付かず、
はねられてはいないだろうか?と
嫌なことが頭をよぎる。
もし、息子に会えたら何て言おう。
物凄く怒った方が良いのだろうか?
そしたら二度とこんなことはしないだろうか。
そんなことはどうでもいい。
とにかく息子がいますように。
どうか無事でいて欲しい。
考えたくないけど、
「マクドナルドに
いなかったらどうしよう。」
不安は募ります。
いろんなことを考えていました。
そして、
マクドナルドに向かう道に出たとき
目の前から息子が歩いてくるではないですか!!!
「○○○ーー!」(息子の名前)
「おう!ちゃーちゃん。」
「心配したやんか!!」
「置き手紙してたやろ??」
「あったけど、こんな暗い時に一人で出て行ったらあかん。
まだまだ大人の力にはかなわないから、
どっか連れて行かれるかもしれんし、
車からも子供は見えにくいからひかれたりするかもしれんやろ?」
「俺、ちゃんと、踏切のとこは待ったで?」
「踏切??」
「蛍池にレアなポケモン出るから
そこまで走って行ってきたんや。
でも、カンカン音が鳴って、
電車がくるってわかったから走りたかったけど、ちゃんと待ったで!
中学生の人は走って行ったけど」
「え?蛍池駅まで行ったん?」
「そうやねん。ポケモン探しに出たら、
13分後に蛍池駅で
卵からレアなポケモン出るって出たから、
ダッシュで蛍池駅に行ってん!」
(家から1.3km)
「たまたま会えたけど、
お母さん、マクドで会えなかったら
警察に電話しようと思っててん。
一人でこんな暗い中、
車も多い駅なんか行ったらあかんで」
「レアなポケモンやってん。
でも、結局、取れなかったんや。
俺、めっちゃ走ったんやで!」
会話の温度差が半端ない。
でも、
とにかく良かった。
会えてほんとに良かった。
会えたら思いっきり叱ろうか?
親としてどういう態度が良いのだろうか?
そんなこと考えたりもしたけど、
息子と無事に出会えたことで十分でした。
息子にしたら、
留守電も入れてるし、
置き手紙も書いた。
息子なりの私への優しさであり、
心配症の私への配慮だったのです。
「走りすぎて、おなか減ったわ。
マクド食べて帰ろ」
「そやね、、、」
そのまま、
二人でマクドナルドで夕食を済ませることにしました。
マクドナルドでは
取れなかったポケモンのことについて私に
熱弁してくれています。
私は
そんな息子を見ながら
本当にいてくれて良かったと思いました。
マクドではお互いポテトを頼み、
私はグラタンコロッケバーガーも頼みました。
そして、
15ピース390円のナゲットを頼み、
息子は10コ、私は5コと分けました。
マクドナルドのナゲットが大好きな息子。
10コくらいペロっと食べてしまいます。
でも、この時は違いました。
「一つあげるわ」と大好きなナゲットをくれました。
私がとても疲れていたのを察知したのでしょうか。
お昼も食べずに仕事を終えて、
帰ってきたら息子の捜索活動。
昼間、大忙しだったクリニックの仕事のことなんかはすっかり忘れてしまいました。
4年生になり、
しっかてきたし、
息子も大丈夫と言ってくれるので、
留守番を結構させてました。
でも、私が先に帰って家にいるときは
やっぱり安心している感じがします。
いくらインターホンに出ないと言っても、
一人でいる時に鳴ったら怖いでしょうし、
学校に行く時に、
「今日は帰ってきたらおる?」
と聞かれることも多いので、
だいぶ留守番をさせてるんでしょうね。
多くの女性は結婚、妊娠、出産、育児を経て
大きな変化を求められます。
時間を気にせず、
思い切り仕事することが出来なくなり、
子供のために頭を下げて仕事を休むこともある。
場合によっては罪悪感を感じながら仕事してたり。
女って損だなあなんて思ってしまうことも
しばしば。
一生懸命にしてるつもりでも、
突然、事件は起こったりもして。
なかなか母親も大変です。
二人でナゲットを食べながら、
「暗い中、一人で出掛けるのはやめよう」
という約束をしました。
「自分が思っているより、
まだまだ子供で、身体が小さい。
大丈夫と思っていても、
大人にさらわれたり、
事故に遭ってしまうことがあるかもしれない。
だから、一人でポケモン取りに行くのはやめてほしい」
と、
伝わるように丁寧に話しました。
「ポテトにつけるケチャップもらってくる」
話、聞いてねぇ、、、、。
全然聞いてねぇ、、、。
びっくりしちゃう。
大丈夫か、息子よ。
マクドから帰宅し、
帰宅した主人にも一連の話をしました。
一人でポケモンを取りに行っては行けないと主人に言われて納得したようです。
私って何なんでしょう。
それで今日の写真。
暗いのは夜明けだから。
一人ではポケモン狩りに行けない息子に起こされて、
朝から一緒にポケモン狩りにGoしたわけです。
特定の場所まで歩き、
10人以上集まらないと勝てないバトルがあるんですが、
集まるわけないじゃないですか、、、
6時なんかに。
息子と私とあと一人知らないひと。
三人しかいないから、
戦っても無駄だから
帰ろうと言われ、
帰ることになりました。
私って何なんでしょう。
暗かった空がすっかり明るくなっていました。
なんだかんだで幸せだなぁと思いました。
そういえば昔、息子は梅田で迷子になりました。
3歳になる前くらいだったでしょうか。
それから2年後でしょうか。
白浜のとれとれ市場でまた息子は迷子になりました。
その翌年は緑地公園のプールでした。
プールなので、
物凄く焦りました。
友人にも探してもらい、
どれくらい時間が経ったのでしょう。
息子の名前が連呼されています。
息子を迎えに行くと、ケロッとしていました。
「迷子になったと思ったから、放送してもらった」
いつのまにか、迷子になった時マニュアルが息子の中で出来ていたようです。
梅田での迷子の時は、
知らない淑女に手を繋がれて大泣きしていました。
白浜とれとれ市場では
泣いていたら声をかけてくれた方がいたそうで、館内アナウンスが流れました。
そして、プール。
自分で放送してもらうとこまで成長しておりました。
迷子にならないということより、
迷子になったときの対処法を学んだようでした。
親としてお恥ずかしい話です。
ただ、言い訳がましいですが、
私も注意は払ってるんです。
結果がついてきていないだけで。
ポケモンgoも迷子と同じだったのでしょう。
気になるものがあると、
いてもたってもいられないのです。
そんな中、
いきなり家を飛び出さず、
私のために書いてくれた置き手紙。
とても心配しましたが、
あの置き手紙がなければ全く検討違いのところを探しに行っていたので、
助かりました。
次は
グッと我慢できる人になってね、、、
そう願うばかりです。
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