ハリウッド女優が身体を張って伝えたかったこと
こちらの映画、
ご存知でしょうか?
「タリーと私の秘密の時間」
ネタバレというか、
全て書きますが、
今、育児真っ最中のお母さん方は
映画を観る時間なんてないのではないかと
思い、
「ババドック」
に引き続き
瀬尾の完全主観による
映画紹介をさせて頂きたいと思います。
主人公の女性は
40代。
(シャーリーズセロンという女優さんがやっております)
映画は
主人公が
大きなお腹(臨月)を支えながら
ゆっくりと階段を降りてきて、
男の子(第二子で7歳くらい)を優しく
ブラシでマッサージするところから始まります。
このブラシマッサージは
感情の起伏が激しい息子のセラピーだったとのちにわかります。
この男の子、
車がいつもと違う場所に駐車するだけでも
激しく怒り出します。
主人公は
朝から大きなお腹で
2人の子(第一子は女の子)を車で学校に送るのですが、
準備だけでも大変なのに、
その息子は容赦なく主人公を困らせます。
すでに私ならこの時点でブチ切れなのですが、
主人公は息子の要望に応えてあげます。
学校からは
息子の転校を強いられています。
40代に入り、
予期しなかった妊娠。
夫も悪い人ではない。
仕事もするし、
子供とも遊んでくれる。
でも、
主人公が疲れ切って
夕ご飯を冷凍ピザにしたときに、
「冷凍ピザか!最高だな!」
なんて嫌味言って
もっといいもの作ってくれよ、、、
みたいな雰囲気を出す。
昼間はずっと臨月のお腹を抱えて
家事をし、
息子の学校に行ったりしているのです。
でも、この主人公自身も
「家事や育児は女がするもの」
と思っており、
文句も言わずに
ひたすら毎日を過ごします。
そんな時、
主人公は実の兄から
お金を出すから
「ナイトシッター」
(夜だけのベビーシッター)
を雇うように勧められるのです。
このお兄さんは
妹(主人公)がどんどん元気がなくなる様子を見ていて
心配していました。
第二子のときに主人公は
重度の鬱になってしまっていたんです。
兄は
これから第三子が生まれて、
同じことが起こるのではないか?
ということをとても心配しています。
なぜなら、主人公は人に頼るのが苦手で、
何でも自分でやろうとしてしまう
頑張り屋さんだからです。
そして、主人公の夫は
いまいち事の重大さはわかっていない。
主人公が疲れていることにも気がついていない。
でも、主人公は
知らない人に大事な赤ちゃんを預けるなんて出来ないと、
ナイトシッターの件はなかったことにします。
そうこうしていると、
3番目の赤ちゃんが生まれるのです。
赤ちゃんは何度も何度も泣きます。
その度に
母乳をあげ、
おむつを交換し、
抱っこをして。
そこには夫は出てきません。
たった一人で夜中を過ごします。
毎晩、毎晩。
夫は真面目に仕事はしています。
でも、帰宅して
ちょっと子供と遊んだら
早々にイヤホンをつけてゲームに夢中。
なんと、これが当たり前の日常。
誰も疑問を持っていないのです。
主人公は疲れ切っていました。
そうしたら
そこに
ナイトシッター(夜だけのベビーシッター)が現れます。
超今どきの若い女の子。
でも、この女の子は
とても赤ちゃんに優しく、
そして主人公に優しいのです。
主人公が寝ている間に
掃除をし、
カップケーキを焼いてくれたり。
朝、知らないうちに居なくなっていて、
ちょっと不思議なのですが、
主人公はこの女の子のお陰で
少しずつ自分を取り戻していきます。
夫は
綺麗になった部屋や、
毎晩きちんと準備される夕食。
元気そうにしている主人公を見て
ベビーシッターには会ったことはないけど、
なんだか上手くいってるから
それでいいかという感じでした。
息子のことは解決したわけではないものの、
転校先で理解のある先生に出会い、
学校のことも落ち着いてきそうな感じでした。
主人公はマラソンを始めたり、
(若い女の子を抜かした後に倒れ込むのですが、女の子は主人公の母乳で濡れている胸を見てドン引きしてしまいます。)
お化粧を始めたり。
主人公は
自分に構う時間を作るようになってきました。
それは、
ナイトシッターが
主人公に
「自分をいたわりなさい」
というメッセージを送り続けたからなのです。
随分と話は端折ってしまいますが。
そうして
いよいよ、
ナイトシッターとのお別れの時が来ます。
ナイトシッターは
赤ちゃんを置いて
飲みに行こうと誘います。
赤ちゃんを心配する主人公。
でも、家には夫がいるでしょ?
とナイトシッター。
そうして
2人は街に繰り出すのです。
そこで、
もうお別れだと言い出すナイトシッター。
主人公はもっと助けて欲しいと伝えます。
でも、
ナイトシッターの気持ちは変わりません。
主人公は
ナイトシッターに向かって、
「あんただって、
いつか子供を産んで、
おばさんになるし、
いいことなんて今だけだー」
みたいなことを言ってしまいます。
主人公は
若くて
希望があり、
未来いっぱいのナイトシッターに
自分の思いをぶつけます。
ナイトシッターは
「あなたが過ごしている
この繰り返してる毎日が幸せなんだ」と
主人公に言います。
そうして、
また車を運転して
家に2人で帰るのですが、、、、、
ナイトシッターは
「運転は私がするから大丈夫!」と言っていたのに
ウトウトし始めます。
そうです、
2人ともお酒をたくさん飲んでいるのです。
そして、
その車は
車道を外れ、
川に落ちてしまうのです。
目を覚ました主人公。
何が起こったのかわからない夫が
病院で医師から質問を受けます。
「奥さんは心の病気を患っていませんでしたか??」
「え?妻は最近とても元気でした。
そんなことはないと思う、、、」
それを聞いた医師はこう答えます。
「奥さんは極度の睡眠不足です」
ナイトシッターは
主人公自身が作りあげた幻想だったのです。
そして
そのナイトシッターは
若かりし頃の主人公の名前を名乗っていたのです。
ナイトシッターなんて来ていないのです。
主人公が
夜中授乳しながら、
部屋の掃除をし、
カップケーキを焼き、
昼間は完璧に家事をこなし、
マラソンもして
化粧もして
上の子2人のお世話もして、、、、、
全部、全部、睡眠を削って
1人でしていたのです。
「そうありたい」と思う
完璧なお母さんや完璧な妻という役割を
主人公は自分の睡眠を削ってやっていただけなのです。
ナイトシッターと主人公の会話は
主人公の心の中の会話なのです。
「自分をいたわりなさい」
そう伝えてくる自分と、
「もっと頑張らないといけない」と思う
今の自分。
ナイトシッターがやってることは
主人公が求める理想の母親や妻だったのです。
主人公は
一人で何もかもを背負い込んでしまっていました。
こうなって初めて夫は
大変なことになっていたことに気がつくのです。
主人公に泣いて謝っていました。
映画の最後、
あのブラッシングセラピーを受けてた息子が主人公に言います。
「ママ、これって効くの?」
「これ良くないの?」みたいなことを
主人公は息子に聞きます。
息子はしっかりとした言葉で言います。
「ママと一緒だから良かった。
もうブラシは要らない。
ママ、大好きだよ」と。
息子のために一生懸命に疲れた身体で
ブラッシングしていた主人公。
でも、息子は
ママ(主人公)がいてくれたらそれだけで良いと。
完璧じゃなくていい。
あなたがいてくれるだけでいい。
そんなメッセージを息子も最後に伝えてくれました。
これで映画は終わります。
この映画の主人公を演じた
シャーリーズセロンという女優さん。
私は大好きです。
普段のシャーリーズセロンは
桁外れに美しい女性なんです。
でも、
こちら同一人物。
13キロ太って、
眉毛を全部抜いて
殺人鬼役をやっちゃったりするのです。
そして今回。
23キロ太った説と18キロ太った説があるのですが。
自腹です。
本当に凄いです。
シャーリーズセロンは
結婚してないのですが、
2人のお子さんを養子に迎えている、
二児のお母さんなんです
お姉ちゃんの方は
性別は男の子なんですが、
性自認は女の子だそうで、
3歳の時に
「私は女の子なの」と息子さんに言われて、
それから、
女の子として育ててらっしゃるそうです。
アメリカでも非難の声は多いとのことです。
(もちろん賞賛の声も多い)
私はもし、
今、息子が
「女の子として生きたい」
と言っても息子が大切なことは
何も変わらないです。
ただ、
シャーリーズセロンのように
世間体から守る盾になる勇気や覚悟は自分にはあるのだろうか?
と正直思います。
「学校だけは男の子の格好で行ったらどう?」と言ってしまうと思います。
息子の好きに生きて欲しいけど、
イジめられないだろうか?
社会と上手くやっていけるのだろうか?
苦労しないだろうか?
とそこが心配になります。
でも、きっと
上手く言えないけど、
シャーリーズセロンのようなお母さんの方が
子供にとっては
救いであり、
自分を肯定出来ることにつながるんだろうなぁと私は思います。
シャーリーズセロンは一人っ子だそうです。
父親は家族に暴力を振るっていたそうで、
15歳くらいの時に
母親がシャーリーズセロンを守るために
父親を銃で射殺したと何かで読みました。
それから、
シャーリーズセロンと母親は二人三脚で生きてきたそうです。
映画からは
ずいぶんと話が逸れてしまいましたが。
確か、
シャーリーズセロンは
この映画のプロデューサー的なこともしていたと思います。
この映画を通して、
何を伝えたかったのでしょうか。
私たち母親は
自分のペースでなかなか時間を過ごすことなんて出来ない。
ブログを読んでくださっている
多くのお母さんは
まとまって寝ることすら許されない。
でも、
ナイトシッターが現れる前に
何かを変えることで
心身の健康を守ることが出来ることがあるかもしれない。
それは、
ご主人との話合いだったり、
便利な家電に頼ることだったり、
子供の要求にたまには応えないことだったり。
改善への策は
人それぞれ、家族それぞれなのでしょうが。
ちなみに、
本物のナイトシッターがいたら
めっちゃ救われると思います。
睡眠不足は人を狂わせます。
(この件についてはまた書きたいと思います)
せめて、
昼間、2時間だけでも安心して昼寝したい。
これなら実現可能です。
私の信頼する看護師さんが
シッターすると言ってくれてます。
(悩んでいる方がいたら連絡ください)
今日は超大作となってしまいましたが、
超綺麗なハリウッド女優さんが、
太ってまでやりたいと言ったこの役。
きっと、
伝えたいこと
感じて欲しいことがあったのだと思います。
息子が私を呼んでいます。
倒立が出来るようになり、次は側転なんです。
面倒だなぁ、、、。
でも、
今日は息子との絡みは
叱ってばかりだったな。
ということで行くことにします。
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