命の扉

2年前だったでしょうか。

息子の小学校で
子どもたちと一緒に
「命の授業」を受けました。

その授業はとても温かく、
子どもたちが

「自分もこうやって生まれてきたのか!」

ということを知る
とても良い機会でした。



とは言え、
1番良かったのは私たち母親だったんですがね。



私なんて、
初めて息子に出会った日のことを思い出し、
「怒ってばかりでごめんなさい」
と思い、
その日やけに優しく出来たのを
今でも覚えています。



この命の授業では
帝王切開でのご出産を、



「先生が、
  命の扉を作ってくれて、
       みんなはこの世に
          生まれてきたんだよ」



と教えてくれました



今日、
私は助産師学生さんの実習に
付き添っていました。


助産師学生さんは
一生懸命に
これからお母さんになっていかれる産婦さんの腰をマッサージしたり、
うちわであおいであげたり、、、。
これからお父さんになる旦那さんと2人で
陣痛の痛みに耐えている産婦さんを励ましていました。



ただ、赤ちゃんも命がけで産道を通ってきます。


時に、
赤ちゃんは産道を通って生まれるより、
帝王切開という、
命の扉から生まれることを
選択することがあるのです。


今日がそうでした。


分娩室で吸引分娩となったのですが、
赤ちゃんは降りてきません。



先生は
赤ちゃんのサインを察知し、
すぐに帝王切開を決定されました。



朝からずっと頑張ってきていた産婦さん。


ものすごく緊急だったので、
バタバタと手術室に向かうことになりました。



そこにいた、
先生も、師長さんも、スタッフさんも、
みんなが必死に声をかけます。


「お母さん、頑張れ! 
お母さんもう少し!
お母さん、赤ちゃんに会えるからね!!」



そうして、
赤ちゃんは手術室で
無事に
命の扉から
この世に生まれてきてくれました。



時々、帝王切開でご出産されたお母さんが


「自分の力で産めなかった」
とご自分を責めることがあると聞きます。



本当にそうなのでしょうか。


身体の
ど真ん中に
命の扉を作ってもらう。

このことが
どれだけ怖くて、覚悟のいることか。


お母さんは自分の命をかけて
新しい命をこの世に生み出しているのです。


朝からずっと付き添ってきた助産師学生さんは泣いていました。

その涙には色々な理由があったと思います。


でも、こうして
無事に、
元気に、
赤ちゃんが生まれてきてくれて、
これ以上に素晴らしいことはないよねと
話しました。


手術室から出てこられたお母さんの顔は
とても清々しく、
大仕事を終えた顔をされていました。


学生さんは涙を必死にこらえていました。


今日のこの1日を、
いつかお子さんにお話してあげてほしいなと思います。



「お母さんは
  命の扉からあなたを生んだんだよ!!」と。



お疲れさまでした。
そして、
おめでとうございました!!!

























あいちょ助産院

みんなちがって、みんないい

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