母乳 やめるか、続けるか
最近、私の周りでは
白斑や母乳の詰まりを繰り返して
「断乳したい。した方が良いのか。してはいけないのか?」
と
悩み、迷われているお母さんが
何人もいらっしゃいます。
私はこの仕事をしておりまして、
母乳とミルク、
きっちりハーフハーフの助産師です。
それは多くのお母さんたちが
私に沢山のことを教えてくれたからです。
母乳の良いところも、
ミルクの良いところも
お母さんたちが教えてくれました。
そんな私が唯一、
揺るぎなく思っていること。
それは、
母乳をやめるのも、
続けるのも
お母さんが決めたらいい。
ということです。
「母乳が出てるのにもったいない」
「やめるなんてかわいそう」
「6か月までは頑張るべき」
「母乳は最高の栄養」
「母乳は最高のスキンシップ」
「母乳をやめたい」
って言えないようなこと
色々言われますよね。
逆に
「もう一歳なんだから母乳はやめるべき」
「まだ母乳あげているなんておかしい」
「母乳あげているからご飯食べない」
「そんなにこだわらなくていいんじゃない?」
などなど、
続けることに色々言われてしまうこともあります。
どっちなんだ、、、、。
本当は続けたかったけど、
繰り返すトラブルのために
泣く泣く断乳をされた方が
沢山いらっしゃいます。
何度も何度も、
「もう、一回だけ頑張ってみよう」って
続けて、
それでももう、
身体も心もボロボロになり
泣く泣く断乳を決意される。
お一人めさんの時に
とても辛い思いをされて、
お2人めさんは
最初から
「ミルクにする」
と決めておられたお母さんもいました。
それでもそのお母さんは
ご自身を責めていました。
「私さえ頑張れたら良かったのに」と。
頑張りさえすればいいのでしょうか。
おっぱい中心の生活にして、
マッサージを何度も依頼してくださり、
1日に何度も搾乳して、
夜中も起きて搾乳して。
たしかに母乳の分泌は増えます。
ただ、時期や体調、もともとの体質など
その変化にはとても個人差があります。
そして、母乳が出ていたとしても、
お子さんが
思うように飲んでくれないこともあるのです。
それでもお母さんは少しでも
母乳をあげたいと思う。
分泌をあげるために頑張って搾乳をする。
何度も母乳をあげる。
それを
「なんでそんなに母乳にこだわるの?」と言われてしまうことがある。
頑張ってるのに、
責められるような気持ちになる。
私の周りには
やめたくて悩んでいる方も、
続けたくて悩んでいる方も
沢山いらっしゃるのです。
お母さんたちは
身を削って育児をしています。
母乳やミルクのことくらい
お母さんの一存で決めても良いのではないでしょうか。
私はそう思っています。
年末に出会ったお母さん。
白斑を繰り返しておられ、
授乳のたびに乳首が焼けるように痛い。
それだけでなく、
母乳が作られているタイミングで
心臓をえぐられるような痛みが走る。
そんなお母さんでした。
ご自身で色々と試され、
助産師さんにも頼られ、
それでも改善しない。
たまたま私をYouTubeで見つけてくださり、
依頼してくださりました。
乳首の痛みは授乳のときなのか?
搾乳機ではどうなのか?
手絞りの搾乳ではどうなのか?
白斑を治すことで
乳管の通りが良くなり、
心臓をえぐるような痛みは改善されるのか?
それとも
関係ないのか?
お子さんの飲み方を改善することで何か変わることがあるか?
なとなど
一緒に検証しましたが
母乳が作られる時の
心臓をえぐるような痛みは改善されませんでした。
そのお母さんは断乳を決意されました。
お子さんとご主人と元気で楽しく幸せに暮らしたい。
そのために母乳を手放すことにされたそうです。
そのお母さんから最後に頂いたメッセージには素敵なお話がありました。
ご主人が、
「ミルクでいい、
じゃなくて、
ミルクにしよう。
もし、後悔したら俺を責めたらいい」
とおっしゃったそうです。
このご主人は
仕事帰りに
一人で
私の助産院まで搾乳機を買いに来てくれた
ご主人です。
奥様に寄り添われ、
お2人でここまで母乳育児をされてきたのです。
そのご主人の言葉にはとても力があります。
そして、
そのお母さんは。
「愛情いっぱいにミルクをあげようと思います。
立派なミルクボーイにします!」
と
最後の言葉を記されておりました。
どこまで頑張れば良いのか、
基準なんてないのです。
だからこそ
迷い、悩むのですが。
どちらも選べず、
それがとても辛いなら。
いつかどこかで区切りをつけないといけない。
やっぱり迷い、悩むでしょう。
ただ、育児はそのようなことの連続で、
何かを選ぶ代わりに
何かを手放さないといけないことがあるのです。
このお母さんのように
選んだ道を
是非、ご自分の力で
正解にしていってほしい。
ミルクボーイ。
私は心から応援しております。
0コメント